ダイトクのトラックスケールのほとんどは、国が定める精度などの基準をクリアした検定品の特定計量器です。しかしはかりを扱ううえでとっても大切な「検定」と「検査」の話でも解説したように、トラックスケールの精度は使用するにしたがって低下していく場合があるため、2年に1回の頻度で検査を受けなくてはなりません。

この検査には行政が実施する定期検査と、ダイトクを含めたメーカーや計量士が行う代検査」に分かれますが、このうち定期検査はさらに集合場所検査所在場所定期検査の2種類に分かれます。ここではこれらの検査の違いについて解説します。

INDEX
  1. 行政が行う定期検査は2種類ある
  2. ダイトクが行う代検査なら臨機応変に対応可能
  3. トラックスケールの代検査ならダイトクへ

行政が行う定期検査は2種類ある

学校や公共施設などで行われる集合場所検査

行政が検査の主体になる定期検査には、集合場所検査所在場所定期検査の2種類があります。

学校の校舎

このうち集合場所検査というのは、都道府県知事もしくは特定市町村の長の名前で定期検査の期日の1ヶ月前までに指定される、学校や公共施設などで行われる定期検査を指します。

この検査では、受検者が指定された場所まで計量器を持参してきて、その場で検査を受けることになります。集合場所検査を受けるのは、主に食料品などを取り扱う個人商店となっています。

特定計量器がある場所で行われる所在場所定期検査

これに対して所在場所定期検査では、特定計量器がある(所在する)場所で行われる定期検査を指します。特定計量器検定検査規則の第39条1項では、所定場所定期検査を受けるための条件として、次の5つの項目のうち、いずれかに該当する必要があるとしています。

一 特定計量器の質量又は体積が大きいため、運搬が著しく困難なとき。
二 特定計量器がその構造上運搬をすることにより、破損し、又は精度が落ちるおそれがあるものであるとき。
三 特定計量器が土地又は建物その他の工作物に取り付けられているため、その取り外しが困難であるとき。
四 特定計量器の数が多い場合又は特定計量器の検査のため必要な検査設備を備えている場合であって、その所在の場所で定期検査を行っても定期検査の事務に支障がないとき。
五 特定計量器の所在の場所で定期検査を行うことが、定期検査の事務の効率的な実施に資するものであるとき。

このうち少しイメージがしづらい二と五について解説して起きましょう。

二の項目は非常に精密なはかりに適用される

二の項目は、特定計量器がはかりの精度等級H級またはⅡ級以上に該当する場合を指しています。これらは電子天秤などの非常に精密なはかりで、薬品調合などに使用されるような機器になります。そのため振動や衝撃で壊れてしまう可能性があるほか、息があたったり、ちょっとした地面からの振動でも重量値が不安定になってしまいます。

通常は風防に入れたうえで、専用の計量室の中で使用しますが、集合場所検査が行われるような学校や公共施設などではそのような設備を整えることができません。したがって所在場所定期検査が受けられるというわけです。

五の項目は各都道府県や特定市町村の判断により適用される

定期検査の事務の効率的な実施に資する」と言われると具体的には理解しにくいですが、五の項目はすなわち各都道府県や特定市町村によって所有する分銅や設備・人員などが違うため各都道府県や特定市町村の判断で所在場所検査にしても良いというものです。

例えばダイトクのトラックスケールは大型で地面に設置されているため一と三に該当し、またほとんどの産業用台ばかりは移動が難しいケースが多いため一に該当します。

定期検査は地方色が強い

ここまで行政が主体になって実施する定期検査について解説してきましたが、実のところ定期検査の細かい部分は各自治体によって大きく変わってしまいます。例えば奇数年だけ検査を実施する自治体もあれば、偶数年だけ実施する自治体もあり、毎年実施する自治体もあります。検査の内容自体は法律などで事細かに決められているため同じですが、逆に決まっていない部分に関しては各自治体が臨機応変に対応しているのです。

電話に対応する男性

そのためより具体的な内容については、各自治体の窓口に問い合わせていただく必要があります。各都道府県の計量行政機関などの連絡先や住所は経済産業省の都道府県計量行政機関等に掲載されています。また全国の県庁所在地を始め政令指定都市などが含まれる計量特定市に該当する場合は、同じく経済産業省の特定市一覧から各自治体の計量行政機関などのページに移動できます。

トラックスケールや台ばかりなどの大きなはかりを所持している方に関しては、ダイトクに問い合わせをいただければ対応が可能です!

ダイトクが行う代検査なら臨機応変に対応可能

定期検査の代わりに、国家資格を持つ計量士が行う検査が代検査です。ダイトクでは計量士や玉掛作業の有資格者などを手配して、この代検査を実施することが可能です。ダイトクに代検査を依頼した場合のフローは以下の通り。

日程確定まで

まずはユーザー様と打ち合わせを行います。
見積もりをとらせていただいたのち、ユーザー様の希望日程とダイトク社内工程及び計量士との日程のすり合わせをおこないます。

代検査実施

日程確定後、代検査を実施します。検査後は以下の流れとなります。

  1. 計量士による成績書の作成
  2. ユーザー様へ送付並びに署名捺印
  3. 計量士へご返送いただき、行政手続き
  4. 行政による捺印後、複写を計量士に返送
  5. 計量士からダイトクへ書類送付
  6. ダイトクよりユーザー様にコピー送付

最初の打ち合わせでは日程などについて調整を行います。これに2つの目的があります。

第一の目的はユーザー様のコストカットです。検査はトラックスケール 1台あたり1.5時間程度で終わるので、日程調整によって1日で2〜3社の検査を行うことも可能です。この2〜3社で重機や分銅の輸送費を分担して負担すれば、そのぶんだけコストをカットできます。そのために打ち合わせの段階で日程の調整を行うのです。

第二の目的は検査のための分銅の確保です。代検査を行うためには、基準分銅と呼ばれる非常に精度の高い分銅が必要になります。また代検査ではひょう量の60%の分銅を使って精度をチェックするため、例えば40トンのトラックスケールの代検査には24トン分の分銅を用意しなくてはなりません。ダイトクでは合計で100トン分の分銅を保有していますが、別の現場と日程が重なってしまうと、分銅が足りなくなる場合もあります。そのような事態を防ぐための調整を行うのです。

この2つの目的以外に、実施時間をユーザー様の都合に合わせたり、営業をストップさせないように土日などの休日に検査を実施したりするためにも、打ち合わせは重要です。確かに代検査は行政が検査の主体となる定期検査よりもコストが高くなりますが、その代わりこうした臨機応変な対応が可能です。この点が代検査の最大のメリットと言えるでしょう。

トラックスケールの代検査ならダイトクへ

確かに行政が主体となる定期検査(トラックスケールの場合は所在場所定期検査)なら、コストを低く抑えられます。しかし土日での対応ができないうえ、通常営業を続けながら2年に1回しかやらない手続きや行政とのやりとりなど、慣れない業務に時間と労力を割かなければなりません。また、行政の検査はあくまで検査だけですので、合格範囲から外れていれば即終了となり、内部の点検やメンテナンスなどは行ってもらえません

これに対してダイトクが行う代検査であれば、専門家としてユーザー様に不便のないように臨機応変に対応できます。また、本来は集合場所検査に持っていかなければならない場合でもダイトクならお客様の所で検査ができます。この点にメリットを感じていただけるのであれば、検査の際はぜひダイトクまでお申しつけください。

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