【重要】大型台風による水没や土砂被害でトラックスケールの故障・修理のご依頼が増えております。ダイトクでは自社製品、他社製品にかかわらず修理対応を承っております。お困りの方はお早めにお電話かメールフォームからお問い合わせ下さい。
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トラックスケールを導入するとなれば大きなコストがかかりますが、導入後に余計な故障やトラブルが起きれば、さらにコストが上乗せされることになります。故障やトラブルが原因で買い替えという事態になれば、当然それだけのコストがかかってしまいます。そのためトラックスケールを使う側からしてみれば、できるだけ大切に使って長持ちさせたいというのが本音ではないでしょうか。
そこでここでは、トラックスケールのメンテナンス方法や故障やトラブルを防ぐための使用上の注意、さらには万が一トラックスケールが壊れてしまった場合の対応についても解説します。
トラックスケールのメンテナンス箇所
メンテナンス内容 | メンテナンスの目的など | |
---|---|---|
1 | コンクリート製の基礎部分とトラックなどが載る計量台部分の隙間に、泥やゴミなどが詰まっていないか調べ、取り除く。 | 正しい計量ができなくなるため。 |
2 | 雨天時は基礎部分と計量台部分の隙間に、水が溜まっていないか調べ、排水ポンプが正常に動作している確認する。 | 計量の要であるロードセルのセンサーが水没すると故障の原因になるため。 |
3 | 計量台の主桁と計量台のパネルを繋ぐボルトに、緩みがないか点検する。 | 正しい計量ができなくなるため。 |
4 | 計量台部分の縦横数カ所につけられている、振れ止めのストッパーボルトに緩みがないか点検する。 | ストッパーボルトはトラックスケールにかかる横方向の荷重(横荷重)全てを支える部分。緩みが発生しやすいので、定期的に締め直しが必要。 |
5 | 振れ止めのストッパーボルトにグリスを塗布する。 | ボルトの錆を防止するため。 |
トラックスケールのメンテナンスは主にこの5つを、毎月1回以上行うのが理想です。なお地中にトラックスケールを埋め込む埋込型の場合は、点検口からトラックスケールの下へ潜ってメンテナンスを行う必要があります。
基本的にメンテナンスフリー
しかしこれらはあくまで理想的なメンテナンスです。5つのメンテナンスをやっていなかったからといって必ずしも致命的な故障につながるわけではありません。例えば立地や扱う品目の関係で泥やゴミ、水が溜まりやすいような事業所の場合は、確かに定期的なメンテナンスが必要になります。しかしそれ以外の事業所の場合、ダイトクのトラックスケールに関して言えば数年程度自主的なメンテナンスをしなくてもほとんど問題は発生しないようになっています。
これには大きく2つの理由があります。ひとつはトラックスケールの構造がシンプルだからです。トラックスケールはコンクリートの基礎部分と、H鋼をメインとした丈夫な金属と計量の要となる部品であるロードセルで構成される計量台部分だけでできています。そのため故障やトラブルが起きにくくなっているのです。
もうひとつの理由は、2年に1回行わなければならない法定検査があるからです。取引や証明に使うトラックスケールは、国や自治体が実施する検定で定められた基準に合格している必要があります。しかし一度合格しただけでずっと使い続けることはできず、2年に1回の法定検査に合格していなければ取引や証明には使用できないルールになっています。
法定検査は通常、都道府県知事や特定市町村の長、あるいは指定定期検査機関によって実施されますが、ダイトクにはこの検査を代理で実施できる計量士が在籍しています。そのためダイトクに法定検査を依頼してもらえれば、その際にプロの視点と技術でメンテナンスを行うことが可能です。
構造上故障やトラブルが起きにくい。2年に1回プロがメンテナンスに入る。この2つの理由から、トラックスケールは基本的にメンテナンスフリーだと言えるのです。
トラックスケールを長持ちさせるための使い方
しかしメンテナンスフリーと言っても、使い方次第では計量の要となる電装部品であるロードセルが壊れやすくなってしまいます。以下ではトラックスケールの構造を理解しながら、トラックスケールを長持ちさせるための使い方を解説します。
まっすぐゆっくり乗って、まっすぐゆっくり降りる
トラックスケールを長持ちさせるための使い方の基本はまっすぐゆっくり乗って、まっすぐゆっくり降りるです。逆に言えば「斜め方向からトラックスケールに乗り、さらにハンドルを切りながら急発進で降りる」といった使い方をすれば、トラックスケールは故障しやすくなります。
このような使い方を防止するには対策が必要です。例えばトラックスケールの前に停止線を引くなどして、トラックスケールの前で一時停止させてから、ゆっくりまっすぐトラックスケールに乗ってもらうような仕組みを作る。あるいは機種選びも大切です。ダイトクではトラックスケールまでスロープが伸びた地上型のトラックスケールを提供していますが、このタイプのトラックスケールなら構造上まっすぐにしか乗り降りできません。もしくは強制的にトラックスケールの前で停止させるバーゲートをオプションで導入するのも効果的です。
トラックスケールの構造を理解する
ではなぜ「まっすぐゆっくり乗って、まっすぐゆっくり降りる」という使い方でトラックスケールが長持ちし、「斜め方向からトラックスケールに乗り、さらにハンドルを切りながら急発進で降りる」といった使い方で故障しやすくなるのでしょうか。これにはトラックスケールの構造が大きく関係しています。
トラックスケールの計量精度は、ロードセルという部品によって実現されています。しかしこのロードセルは上から下にまっすぐかかる垂直荷重を受けて、重量を計測する仕組みになっています。
そのため垂直荷重以外、例えば横方向にかかる横荷重、斜め上方向からかかる斜め荷重などは、ロードセルの仕組み上想定外の荷重になってしまうのです。結果急ブレーキ急発進でトラックスケールに乗ったり、トラックスケールの上でハンドルを大きく切ったりすると、ロードセルが故障しやすくなるというわけです。
トラックスケールが壊れたときどうすればいい?
トラックスケールが壊れるとき
トラックスケールは普段の使い方以外でも、落雷で電装部品が故障したり、豪雨で排水が追いつかずにロードセルのセンサーが水没したり、衝突事故が起きたりと、予期せぬことが原因で壊れる可能性があります。しかしどのような場合でも、知らない間に壊れていて、計量の結果が間違っているということに誰も気づかないという可能性はほとんどありません。
というのもトラックスケールが壊れたときというのは、所定の位置で停止しているにもかかわらず表示される数値が大きく変動したり、人間が1人乗っただけなのに100kg、200kgといった数値が表示されたりと、明らかに壊れているとわかるからです。もちろん経年劣化はしていくので、長年使っていけば少しずつ精度は落ちていきますが、それも前述の法定検査があるため大きな問題にはなりません。
壊れた場合はメーカーに連絡
もしトラックスケールが明らかに壊れている場合は、すぐにメーカーに連絡しましょう。ダイトクの場合は、作業員が現場に向かい応急措置を施します。その際の流れは以下の通りです。
現場で修理対応が完了する場合は別として、一旦ダイトク側で引き取って修理をする場合は後日貸出部品と修理完了品を交換することになります。またそもそも修理ができず、新品部品との交換が必要な場合は、交換に加えて修理や改造に伴う検定を実施します。
トラックスケールはメンテナンスより使い方
トラックスケールを長持ちさせたいのであれば、自主的にメンテナンスを行うよりも、機種選びやオプション選びの段階から正しい使い方ができるような対策を講じておくほうが重要です。余計なコストをかけないためにも、できるだけ早い段階で対策を講じるようにしましょう。