「インターネットでトラックスケールについて調べてみても、いろいろな種類があってどれが自社に最適なトラックスケールなのか判断がつかない」という場合も多いのではないでしょうか。
残念ながらどのようなトラックスケールが最適なのかを正確に判断するには、実際に問い合わせをいただいたり、現地に行って調査をしたりする必要があるため、一概に「こうやって判断してください」と言うことはできません。
しかしそうは言ってもある程度の判断基準は存在します。ここでは、その判断基準をわかりやすく解説します。
おすすめのトラックスケールは地上型
ダイトクのトラックスケールが導入されているのは、ほとんどがスクラップ事業者やリサイクル事業者の事業所、化学工場、建材販売事業所です。そのほか建設現場や解体現場でも導入されています。こうした場所での荷物の計量がダイトクのトラックスケールの主な用途となります。
このような用途に適したトラックスケールとして、ダイトクがまずおすすめしているのは、地上型(あるいはピットレスタイプ)と呼ばれるこちらのトラックスケールです。
このタイプのトラックスケールは構造自体がシンプルなので本体価格も低く抑えられており、基礎工事が浅くて済むので、工事費も安く済みます。また基礎工事が浅くて済むということは、「ある程度まで掘削すると水が出る」といったケースにも対応できるということでもあります。
トラックスケール全体が地上に出ているので、ゴミや泥などのメンテナンスもしやすく、よほどの豪雨や洪水でも起きない限り水没の心配もありません。計量のための部品であるロードセルが故障しても、開いている側面部から交換できるなど、万が一のトラブルにも対応しやすい構造になっています。
高いメンテナンス性と低いコスト。この2つの利点から、ダイトクではまず地上型の導入をおすすめしています。
しかし地上型には一つ大きな欠点があります。それはトラックスケール自体に高さがあるため、スロープをある程度長く確保しなければならないという点です。そのためスロープのための土地と、スロープを経由して乗り降りをするためのトラックの旋回半径を確保しなければなりません。
また地上型のトラックスケールは「ある程度まで掘削すると水が出る」といったケースには対応できますが、「ちょっと掘っただけで水が出る」というケースになると、基礎工事の関係で設置が難しくなります。
つまり「トラックスケールのために確保できる土地が狭い」「ほとんど土地を掘削できない」という2点に当てはまる場合は、地上型以外のトラックスケールを検討する必要があるということです。
土地に問題がある場合は他の3機種から選ぶ
土地は狭くても地盤が強いなら埋込型
「トラックスケールのために確保できる土地が狭い」「ほとんど土地を掘削できない」のうち、「トラックスケールのために確保できる土地が狭い」にだけ当てはまる場合は、埋込型(あるいはピットインタイプ)と呼ばれるこちらのトラックスケールが適しています。
埋込型は基礎部分を含むトラックスケール全体を地下に埋め込むことで、自由な方向から乗り降りできるように設計されています。地上型のようなスロープが必要なく、スロープから乗り降りするための旋回半径を確保する必要もありません。そのため都市部の事業所や現場には、この埋込型を導入するケースが多くなっています。
また埋込型は基礎を深めにすることで、点検口からトラックスケールの下に潜り込んでメンテナンスができるような構造になっています。この構造のおかげでゴミや泥が溜まっても比較的簡単に清掃できます。もし雨が降って水が溜まっても、基礎が深いぶん水の許容量が多く、<ある程度までの水量なら排水ポンプで対応できるという点も埋込型の利点です。
しかし埋込型には3つの欠点があります。すなわち基礎が深いので「ほとんど土地を掘削できない」というケースには対応できない点と、基礎工事から出る土砂の処理が必要な場合はそのコストが高くつくという点、そしてスロープがないぶんトラックがトラックスケールからはみ出してしまう場合がある点です。そのため埋込型を導入する場合は監視カメラシステムなどのオプションの導入も検討する必要があります。
地盤が弱いなら地上薄型
「トラックスケールのために確保できる土地が狭い」「ほとんど土地を掘削できない」のうち、「ほとんど土地を掘削できない」にだけ当てはまる場合は、地上薄型と呼ばれるこちらのトラックスケールが適しています。
地上薄型は名前の通り、地上型を薄く設計したトラックスケールです。地上型よりもさらに基礎が浅くて済むため、掘削できない土地でも設置が可能です。また地上型よりも低いおかげでスロープが短くなるので、地上型に比べて設置のために確保する土地の面積も狭くて済みますし、横からフォークリフトなどを使って荷物を載せることもできます。
しかし正直なところ、地上薄型はメンテナンス性で地上型と埋込型に劣っていると言わざるを得ません。というのもダイトクの地上薄型はH鋼を内部で格子状に組み、一つ一つのH鋼を溶接して作っており、メンテナンスしようとすると上部の鉄板を外す必要があるからです。
トラックスケール自体が薄いぶん、ゴミや泥が溜まった際にロードセルに干渉する可能性も高くなります。そのため地上薄型はゴミや泥が溜まりやすい場所にはあまり適していません。
また、地上薄型はあくまで地上型なのでよほどの降水量でなければ水没はしませんが、それでも高さのある地上型よりは水没のリスクも高くなります。またH鋼の段差がある地上型とは違い、脱輪のリスクがあるため、トラックがトラックスケールから落下する危険もあります。
土地は狭くて地盤が弱いなら埋込薄型
「トラックスケールのために確保できる土地が狭い」「ほとんど土地を掘削できない」の両方に当てはまった場合に、初めて検討対象に入るのが埋込薄型と呼ばれるトラックスケールです。
埋込薄型は埋込型を薄く設計したトラックスケールで、基礎工事も浅くて済むうえ、スロープが必要ないので確保できる土地が狭くても問題ありません。限られた条件下でも設置できるという点が、この埋込薄型の利点です。
しかしメンテナンス性は地上薄型よりも悪くなります。ゴミや泥が溜まっても、地上薄型なら側面部からある程度かきだせますが、埋込薄型ではそれもできません。メンテナンスをするには鉄板を外すしかないのです。また基礎が浅いので、雨などで水が流れ込むとすぐに水没してしまい、ロードセルの故障などにつながります。埋込型と同じくスロープがないのでトラックがトラックスケールからはみ出る可能性もあります。
以上の点から、埋込薄型を検討するのはだけになるのです。
特殊な場所、その他の用途の場合
ダイトクが取り扱っているトラックスケールは、ここまで紹介してきた4種類だけではありません。建設現場や解体現場、スクラップ事業者やリサイクル事業者の事業所といった場所での計量以外の用途で活用できるトラックスケールも用意しています。以下ではそうした特殊なトラックスケールを3種類紹介します。
耐圧防爆型トラックスケール
耐圧防爆型トラックスケールは、電気部品のオン・オフで発生する火花を容器の中で抑え込む機能を備えたトラックスケールです。化学工場などではどうしても空気中にガスが溜まりますが、このような環境で電気部品のオン・オフさせるとそれだけで火災の原因になってしまいます。そのため耐圧防爆型トラックスケールは化学工場などでは必須の製品となっています。
ロードメーター
ロードメーターは、地面にそのまま置くだけで計量ができるという製品です。基礎工事も不要なうえ、設置も撤去も移動も簡単です。しかし地面の状態に精度が大きく左右されるため、国の基準で定められた検定をクリアできません。したがってロードメーターの計量結果を取引や証明に使うことはできません。
そのため使用できるのは、自社内での計量に使ったり、工事現場で過積載かどうかを参考程度に判断するために使ったりといった場面に限られます。ただ2017年に国の過積載対策が強化されたこともあって、過積載対策にはレンタル品としても提供している地上型のトラックスケールなどを導入するところが増えているのが現状です。
ちびトラ
ちびトラは軽四輪〜2トン車クラス用のトラックスケールです。軽量で折り畳みができるうえ、フォークリフトで設置・移動ができるようにフォークエントリーも装備。高い機動力を誇ります。JA(農業協同組合)などの「農作物を計量したいが、収穫時期しか必要ない」といったニーズに応えるために開発された製品です。
ダイトクなら見積もりからアフターケアまで迅速・丁寧
ここまで全部で7種類のトラックスケールについて選ぶ基準やそれぞれの用途を解説してきました。しかし最も重要とも言える導入コストについては、ほとんど触れてきませんでした。というのもトラックスケールの導入コストは様々な条件で大きく変動するため、ここで一概に「これくらいかかる」とは言えないからです。
例えば埋込型はスロープがないぶん地上型よりも本体価格は安く済みますが、基礎工事から出る土砂の量は多いので、その処分費用で導入コストがかさみます。しかしお客様自身で土木工事や処分を行えば、それだけ導入コストは安くなります。他にも計量したい重量、トラックスケールに使う鉄板の厚み、トラックスケールの全長などによっても導入コストは変動しますし、ここにオプションの価格が含まれればさらに細かく変動します。
そのため「こういうトラックスケールが欲しい」という大まかなイメージが固まったら、まずはダイトクにお問い合わせください。中小企業ならではのフットワークの軽さで、見積もりからアフターケアまでを迅速かつ丁寧に対応いたします。