実は正確な計量が、日本における安心で安全な取引や生産現場を支えていることをご存知でしょうか。

トラックスケールを始めとする、取引や証明に関係する計量器は厳しい基準に基づいて緻密に設計・製造されていますが、こうした基準が守られているからこそ、日本国内の正確な計量が実現され、安心で安全な取引や生産活動が守られているのです。

ここでは正確な計量と安心安全な取引や生産活動との関係性を説明したうえで、それらを守るために必要不可欠な校正の意味やルールについて紹介します。

INDEX
  1. 正確な計量ができないとどうなる?
  2. 正確な計量を支える制御と校正
  3. まとめ

正確な計量ができないとどうなる?

私たちが当たり前のように思っている取引や生産活動は、実は正確な計量によって成り立っています。まずはこれらの関係性について知っておきましょう。

取引・生産現場への影響

トラックスケール

スクラップ工場へのスクラップの搬入時には、トラックスケールを使って搬入するスクラップの重量を計量します。

仮にここでトラックスケールが正確に計量できなければ、本来500kgのものが530kgと計量されたり、逆に470kgと計量されたりしてしまいます。こうしたことが積み重なれば取引金額に大きな誤差が生じてしまい、どちらかが大きな損をすることになります。このように、スクラップ工場での取引を安心して行うためには、正確な計量が必要不可欠なのです。

これは生産現場でも同様です。自動車を始め、日本の製品の評価が世界的に高いのは、現場レベルでの計量が非常に正確だからです。作業員一人ひとりが計量のための機器の取り扱いを熟知しているだけでなく、正しく計量できているかどうかを管理する体制も長い時間をかけて確立してきました。

そのため、例えば自動車工場で正確な計量ができなければ、品質管理が全く機能しなくなります。部品の長さ、重さ(質量)、色合いなどはもちろんのこと、衝撃センサーや加速度センサーを使った製品化テストが正確でなければ、販売後の大規模リコールは避けられないでしょう。これは自動車に限らず、すべての生産現場でも同様です。

以上のことから日本の計量技術は、現場レベルの安心な取引だけでなく、日本というブランドを支えていると言っても過言ではないのです。

日常生活への影響

実は正確な計量が影響を及ぼしているのは、取引や生産の現場だけではありません。日常的な生活にも深く影響しているのです。

例えば電気や水道、ガスの使用量が正確に計量されていなければ、身に覚えのない光熱費の請求を受ける可能性があります。あるいはお風呂や炊事場の温度センサーが正確でなかったら、41℃に設定したと思ったシャワーが実は60℃になっていて火傷したり、給湯器で沸かしたお湯の温度が熱すぎて火傷したりする危険性が生まれます。

車の速度計が正確でなければ、自分ではそうと知らずに速度違反をしてしまったり、思わぬ事故を起こしてしまう可能性がありますし、精肉店のはかりの精度が悪ければ実際よりも高いお金を払って肉を買うことになる可能性もあります。

普通に生活しているとなかなか意識することは少ないかもしれませんが、私たちの日常生活の安心や安全も、正しい計量によって守られているのです。

正確な計量を支える制御と校正

正確な計量を実現するためには、制御校正の2つが最も重要なキーワードとなります。以下ではこの2つのキーワードについて説明していきましょう。

制御

積み木

制御とはある目的を達成するために何らかの操作を行うことを指します。これは大きく3つのステップに分けて考えられます。

1.達成したい目標を数値で決定する。
2.その目標の数値が達成できているかどうかを、数値で計量する。
3.計量結果に基づいて、目標に近づくように調整を加える。

例えば精肉店でお客さんが「豚肉300gください」と注文した時、達成したい目標の数値は豚肉300gです。これがステップ1です。次に精肉店の店員さんが豚肉を適量はかりに乗せると、ディスプレイに285gと表示されたとします。これがステップ2になります。300gにはあと15g足りないので、店員さんは少しずつ豚肉を増やしたり減らしたりしながら、目標の数値である300gに一致させていきます。これがステップ3です。

こうした制御のための操作は精肉店だけでなく、あらゆる計量の現場で実践されています。精肉店の場合は手動による制御ですが、例えばお風呂の湯量は設定された湯量に基づいて機械が自動で制御しています。

こうした日常的な場面以外でも、石油精製プラントや製鉄所の高炉プラントといった大きな設備でも制御は必要不可欠な操作となっています。

校正

しかしこの制御における一連の操作を成立させるためには、計量器によって正確な数値が計量できなければなりません。目標の数値が達成できているかどうかを数値で計量しようにも、計量した結果が間違っていればいくらステップ3で調整を加えても、目標に近づいているかどうかがわからないからです。

ここで必要になるのが校正です。校正とは基準となる精度を持つ標準器と呼ばれる計量器を使い、現場で使用する機器が表示する数値と本来の数値の関係を調べることです。これにより表示される数値と本来の数値とのズレが把握できるため、制御の操作を正しく進められるようになるのです。

校正は正確な計量のために非常に重要な作業で、取引や証明に使う特定計量器になると、校正をするためにダイトクのような専門の業者にお金を払って依頼しなければなりません。

また依頼される専門の業者も、省令などで定められた器具や機械を揃えたり、都道府県に届出を提出したりと、一定の基準を満たしたうえで所定の手続きを踏んでいる必要があります。

分銅

またダイトクが取り扱っているような重さ(質量)をはかる計量器の校正には、基準となる重り(分銅)が必要になります。しかしこの分銅も「1kg」と書いてあるからと言って、それが正しく1kgかどうかはわかりません。分銅は金属でできていますが、金属は水分や汚れが付着すれば重くなりますし、削れれば軽くなるからです。

そのため分銅とトラックスケールの深い関係とは?でも触れたように、分銅は分銅で標準器が存在しており、これをもとに計量器の校正に使う分銅が作られています。こうして正しい手順で作られた高精度の分銅を使って初めて、計量器の校正が可能になります。

このように二重三重に校正を行うことにより、ようやく制御という操作が成立し、正確な計量へとつながっていくのです。ダイトクははかりメーカーとしてこの一翼を担うことで、安心で安全な取引や生産活動、そして日常の生活を守るために力を尽くしています。

まとめ

校正の結果に基づいて計量器を調整したとしても、その精度は使用とともに低下していきます。精度を維持し続け、正確な計量によって安心で安全な取引や生産活動を守るためには、定期的な校正と調整が必要不可欠となります。そのために必要になるのが、はかりを扱ううえでとっても大切な検定と検査の話で説明した定期検査の実施です。

通常定期検査は公的機関による検査になりますが、ダイトクでは同等の法的効力を持つ(法定)代検査を実施できる体制を築いています。

トラックスケールを始めとする取引・証明に使う計量器の精度をしっかりと維持し、安心安全な取引・生産現場を守りたいとお考えの場合は、ぜひ一度ダイトクまでお問い合わせください。

ダイトクの代検査なら休日対応を始めとする臨機応変な対応が可能です。みなさまからのご用命をお待ちしております!