設備の老朽化、コストカットのための規模縮小、路線変更に増便などの理由から、貨物用空港スケール(=カーゴスケール)の買い換えをご検討中の方のなかには、「何を基準に選べばいいのか」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

ここでは長年空港用スケールを作り続けてきたダイトクの目線から、長期的かつ効率的に運用するためにカーゴスケールに求めるべき3つの性能と、メーカーに求めるべき役割についてご紹介します。

INDEX
  1. 特殊車両に対応した無駄のない寸法を実現する「オーダーメイド性」
  2. ハードな使用環境でも問題なしの「耐久性」
  3. 貨物ヤードでの使用を想定した高い「運用性」
  4. 全国のネットワークをフル活用したメンテナンス体制
  5. まとめ

特殊車両に対応した無駄のない寸法を実現する「オーダーメイド性」

オーダーメイド性

カーゴスケールには第一に、オーダーメイド性が求められます。トラックスケールというのは、10tトラックやトレーラーでの使用を想定していることが多いため、比較的大きなものが一般的です。

しかしカーゴスケールはドーリーとそれを索引するトーイングトラクター、フォークリフトなどの特殊車両での使用がメイン。一般的なサイズのトラックスケールでは、どうしても貨物ヤードの面積を必要以上に使ってしまいます。

だからこそ、特殊車両のサイズに合わせてオーダーメイドで作った、ヤードを無駄にしないスケールを導入する必要があるのです。

ハードな使用環境でも問題なしの「耐久性」

高い耐久性

しかしどんなにサイズがぴったりでも、耐久性がなければ実用的ではありません。はかりは精密機械なので、本来計量は「静かに、ゆっくり」が原則です。しかし貨物ヤードでの計量は1分1秒が貴重なシビアな作業ですから、いつも「静かに、ゆっくり」計量するわけにもいきません。

そのためどうしてもカーゴスケールには、通常よりも強い負荷がかかるので、一般的なトラックスケールよりも高い耐久性が求められるのです。

また、カーゴスケールに高い耐久性が必要になるのは、使用する車両も原因の一つです。前述したように一般的なトラックスケールが計量するのは10tトラックやトレーラー。いずれにしても空気の入った柔らかいエアタイヤを使った車両です。

一方で貨物ヤードを走る特殊車両に使われているのは硬く、衝撃を吸収しづらいノーパンクタイヤです。ハンドリングなどの衝撃がそのままカーゴスケールに伝わるため、より高い耐久性が要求されるというわけです。

事実、弊社のひょう量(正確に計量できる最大質量)が6〜7tのカーゴスケールのフレームの耐久性は、ひょう量40tクラスのトラックスケールと同等の耐久性を備えています。

貨物ヤードでの使用を想定した高い「運用性」

運用性もばっちり

オーダーメイド性、耐久性に加えて重要になるのが「運用性」です。例えば国内線では、ひょう量6tのカーゴスケールでも、郵便貨物を扱う場合には最小表示が1kg単位での精度が要求されます。

しかし3t以上の郵便貨物はありませんから、3tを超える貨物についてはここまでの精度は必要ありません。むしろ1kg単位で作ることで、定期検査のチェックが必要以上に厳しくなり、合格しづらくなるというデメリットさえ生まれます。

そのためダイトクでは空港特有の事情に合わせ、3t以上からは最小表示を2kg単位や5kg単位に設定するなどの対応をとっています。

また国際線になると、10ftコンテナと20ftコンテナが混在します。しかしだからと言ってカーゴスケールを10ft用、20ft用を分けて導入すれば、コストもかかりますし、スペースも無駄になります。

そこでダイトクでは、10ft用のカーゴスケールを2つ連結し、10ftコンテナをまとめて2台計ることもできれば20ftコンテナを計ることもできる、という二連式カーゴスケールも各所でご利用頂いています。事実、ユーザー様には貨物計量の省力化に役立っているとの評価を得ています。

また、構造的にも現場での用途・環境に応じて埋込式やスロープ式などニーズに応じた柔軟な提案もさせて頂いています。

弊社のカーゴスケールは移設のしやすさも強みの一つ。シンプルな構造で製作しているため、貨物ヤードの縮小などにもスピーディにご対応いただけます。

全国のネットワークをフル活用したメンテナンス体制

安心のメンテナンス体制

ここまでカーゴスケールに求められる3つの性能について紹介してきましたが、カーゴスケールを適正に運用するためにはこれらだけでは不十分です。なぜならどんなに素晴らしい性能を備えたカーゴスケールでも、故障する確率を0%にすることはできないからです。

旅客機にしろ、貨物機にしろ、飛行機が運行するためには、何をどれだけ載せているのかを把握することが大前提です。そのためカーゴスケールが故障すれば、運行に大きな支障が出てしまいます。この時、状況を左右するのは「いかに早く、的確にメンテナンスに対応できるか」です。

ダイトクは長年カーゴスケールを取り扱う中で、全国各地のはかりの保守・管理会社様との協力関係を築き上げてきました。加えてハブ空港と提携されているメンテナンス業者様とも密に連携をとることで、二段構えのメンテナンス体制を確立しています。ですから、最も早く、最も的確な対応をとることができます。

さらに関西空港、羽田空港、セントレア空港などの大型ハブ空港には、他社製の貨物スケールや産業用はかりなども導入されていますが、ダイトクがそうした他社製品の定期検査も請け負っていることも少なくありません。そのため弊社では空港の計量事情を踏まえたうえで、総合的な対応をすることが可能となっています。

具体的には台風21号がおきた時、トラックスケールはどうなったか?にて緊急災害時に関西空港でダイトクがどのような対応をとったのかをご確認下さい。

まとめ

空港用のカーゴスケールは、旅客用のカウンタースケール同様、はかりの中では特殊な部類に入ります。そのためはかりメーカーならどこでも対応できる、という設備ではありません

そのため長期的かつ効率的にカーゴスケールの運用をご検討の場合は、しっかりと実績を積み、技術を磨いているはかりメーカーの製品を導入されることをおすすめします。

ダイトクは長年、国内外の航空会社様との実績を積み、時には要望に応じて新製品の開発をしてまいりました。空港用スケールについてのお悩みは、ぜひお気軽にご相談ください。