プレス機とは缶や鍋、釜やアルミサッシ、ダンボールなどかさ張る金属などを圧縮してコンパクトにできる機械です。

こうして説明すると非常にシンプルな機械ですが実は意外と種類があり、どう選んでいいかわからないという人もいるかもしれません。また新入社員などから違いを質問された際に、頭では理解できているものの、うまく説明できなかったという人もいるのではないでしょうか。

ここではそうした問題を解決するべく、そもそもどうしてプレス機を導入するのかというところから始め、ダイトクが扱っているプレス機のうち、どのプレス機がどのような目的に適しているのかについても解説します。

INDEX
  1. 導入する主なメリットとプレス機の歴史
  2. 目的別プレス機の選び方
  3. まとめ

導入する主なメリットとプレス機の歴史

プレス機は運搬効率アップと処理費用カットを実現する

・アルミ缶
・スチール缶
・一斗缶
・ドラム缶
・鍋
・釜
・アルミサッシ
・廃自動車
・ダンボール
・ペットボトル

こうしたリサイクル資源や廃棄物は得てしてかさばりやすく、そのまま運搬しようとするとトラックの荷台などに隙間ができてしまいがちです。これではスペースを有効活用できないため、運搬効率が下がってしまいます。

運搬効率が低いということは、産業廃棄物収集運搬業者が一度に運べる量も限られるということですから、それだけトラックの台数を増やしてもらったり、回収の頻度を増やしてもらったりする必要が生まれます。そうなれば当然処理費用も高くなります。

プレス機もしくは圧縮機、圧縮減容機などとも呼ばれる機械は、こうしたかさばりやすいリサイクル資源や廃棄物を強い力で圧縮してコンパクトにしてくれます。またその際に圧縮したものをブロックなどの運搬しやすい形状に成形するため、運搬効率が高まり、結果的に処理費用のカットにもつながるのです。

この運搬効率アップと産業廃棄物としての処理費用のカットこそが、プレス機を導入する主なメリットです。

プレス機は業界の功労者によって発展してきた

今では多くの製造工場やスクラップ工場で導入されているプレス機ですが、歴史上は昭和初期にようやく登場した機械です。

それはまだリサイクルという言葉はもちろん、考え方さえほとんどなかった時代。そんな時代に日本初のプレス機を開発したのが、岡田菊治郎氏でした。岡田氏と言えば現在の電炉メーカー最大手、東京製鐵株式会社の礎を築いたスクラップ業界のパイオニアであり、明治〜昭和にかけて独創的な商法で成功した人物です。岡田氏はその功績を称えられ、1953年には緑綬褒章を受章しています。

プレス機の歴史を語るうえでは、現在の産業振興株式会社を設立した2代目德島佐太郎氏の存在も無視できません。德島氏は1928年に鉄屑結束機、1934年には水圧プレス機を発明しており、プレス機の普及に重要な役割を果たした人物です。

このようにプレス機はスクラップ業界の功労者によって開発、発展してきた機械なのです。

目的別プレス機の選び方

誕生から100年近く経ったプレス機は、業界の発展とともに様々な進化を遂げてきました。そのため導入の目的に適した種々のプレス機が製造・販売されています。以下ではダイトクで取り扱いのある5種類のプレス機をもとに、それぞれの目的別の選び方を解説していきます。

なおそれぞれのプレス機の外形寸法や投入口の寸法などはリサイクル機器-ダイトク製品紹介-のページにまとめているので、そちらを参照してください。

缶などの選別が必要な場合一方締めプレス

一方締めプレス

1時間で約715kgをプレスできる一方締めプレスです。一方向からプレスするため圧縮力は25トンとなっていますが、選別コンベヤを備えているためスチール缶やアルミ缶などの選別を行いながらプレスすることが可能です。そのため缶などの選別が必要な場合は、こちらのプレス機が適しています。

アルミ缶・スチール缶のみの場合一方締め缶プレス

一方締め缶プレス

先ほどの機種と同様一方向からプレスしますが、こちらはアルミ缶・スチール缶専用の機種となっています。そのためアルミ缶・スチール缶のみを取り扱う事業者に適しています。また、縦型の省スペースタイプもあり作業場や運営方法に応じたタイプを選択する事が可能です。

缶以外も潰したい場合二方締めプレス

二方締めプレス

缶以外の金属、例えば鍋、釜、ドラム缶、アルミサッシ類などをプレスする場合は、より大きな圧縮力が必要になります。そのためこの二方締めプレスのように、2つ以上の方向からプレスする機械が適しています。実際この二方締めプレスの圧縮力は45トン。ここまで見てきた2つのプレス機の2倍近い圧縮力を誇っています。

ドラム缶のみの場合ドラム缶プレス

ドラム缶プレス

ドラム缶の圧縮だけが必要な場合は、ドラム缶専用のプレス機があれば十分です。所定の位置にドラム缶を設置し、ボタン操作をするだけで均一なサイズにプレスすることができます。

なおダイトクで取り扱っているドラム缶プレスは、プレス機能だけをつけることも可能ですし、オープナー機能だけをつけることも可能です。ご注文の際はお気軽にお申し付けください。

ダンボールのみの場合ダンボールプレス

ダンボールプレス

部品などを梱包しているダンボールを産業廃棄物として取り扱う製造工場や、通販事業者の商品の荷受け・詰め替え・出荷などを行う倉庫などでは、大量のダンボールが発生します。これを圧縮・梱包できるのがダンボールプレスです。

ダイトクで取り扱っている機種はプラスチックにも対応可能となっているため、ペットボトルを取り扱う事業者にも適しています。

まとめ

金属などのかさ張る廃棄物を取り扱う事業者であれば、プレス機を導入することで廃棄物の運搬効率アップ、処理費用カットなどのメリットが得られます。しかし取り扱う廃棄物と処分したい量に応じたプレス機を選ばなければ、余計な導入コストがかかってしまったり、得られるメリットが小さくなってしまったりする可能性があります。

また、一部の海外製プレス機は日本製よりコストが安いですが、使用中の油漏れやシリンダーの故障、メンテナンス対応の問題などのトラブルも多いと聞いています。そのような事態に陥らないよう、自社に必要なプレス機はどのようなものなのかをあらかじめ調べてから導入するようにしましょう。

ダイトクでは、ユーザー様の事業内容などに応じたプレス機の提案もさせていただいております。プレス機の導入をご検討の方は、ぜひダイトクまでご用命ください。