ダイトクでは主力製品であるトラックスケール以外にも、様々なはかりを製作・販売しています。そのうちの一つが、産業用の台ばかり(フラットスケール、フロアスケールとも言われます)です。

ダイトクの産業用台ばかりは大きく4種類のラインナップがあり、それぞれ異なる特長を持っています。ここではこれらの違いを解説するとともに、ユーザー様が台ばかりを検討する際の選びかたについて解説します。

INDEX
  1. そもそも台ばかりってどんなもの?
  2. ダイトクの台ばかりの違いと選びかた
  3. ダイトクが最適な台ばかりを提案させていただきます!

そもそも台ばかりってどんなもの?

ダイトクの台ばかりについて解説する前に、まずはそもそも台ばかりとはどんなものなのかを説明しておきましょう。

台ばかりは計量台の上に荷物を置き、計量台が沈み込む度合いから重量を計る機器で、かつてはテコの原理を使った機械式台ばかりが主流でした。現在はトラックスケールにも使われているロードセルというセンサーを使い、電気的に重量を計測するデジタル台ばかりが主流となっています。

大きさやひょう量(最大計測重量)は実に様々で、薬品を計量するために非常に高度な精度が求められる小さな台ばかりもあれば、何トンといった高重量を扱う台ばかりもあります。

ダイトクでは、ひょう量310kgの台ばかりからトラックスケール並みのひょう量である30トンのひょう量をを持つ台ばかりまで、多彩なラインナップを取り揃えています。これらはひょう量1トン~3トンを主流として食品加工場や化学工場、スクラップ・鉄鋼業などの正確な計量が求められる現場で活躍しています。

ダイトクの台ばかりの違いと選びかた

ダイトクで作っているのは球受付き台ばかり・球受+脚付き台ばかり・脚付き台ばかり・スロープ付き台ばかりの4種類です。それぞれのひょう量や目量、サイズといったスペックはこちらのページを参照いただくとして、以下ではそれぞれの台ばかりの特徴をもとに、どこを見て台ばかりを選べばいいのかを解説します。

精度・耐久性重視なら「球受付き台ばかり」

球受け付き台ばかり

球受付き台ばかりは、はかりの各コーナーに球受と剛球を組み込んだ台ばかりです。例えばフォークリフトを使う現場では、注意をしていてもフォークリフトの爪などを台ばかりの縁にぶつけてしまう場合があります。しかし重量を計量するセンサーであるロードセルは、真上からの負荷を想定したものなので、横方向からの衝撃に耐えられるようには設計されていません。

そのためフォークリフトの爪などが台ばかりにぶつかると、その衝撃がロードセルに伝わってしまい正確な計量ができなくなる可能性があるのです。

球受付き台ばかりの仕組み

しかし球受付き台ばかりに組み込まれている球受と剛球は、この横からの衝撃をうまく逃がせるため耐久性に優れています。なぜなら仮に台ばかりの縁にフォークリフトの爪が当たってしまったとしても、球受の中で剛球がクルクルと転がって計量台を揺らすことで衝撃を逃がすからです。

また球受付き台ばかりに使われている剛球のような球体は、常に上と下1点ずつにしか荷重がかからない性質があります。これは計量台が多少揺れていても同じです。すると重量があちこちに分散せずに1点に集中するので、非常に高い精度の計量が行えます。そのため、球受付き台ばかりは球受のない台ばかりに比べて、耐久性だけでなく精度においても優れていると言えるのです。

したがって現場でフォークリフトを使用したり、より高い精度で計量したりする必要がある場合は、球受付き台ばかりが第一候補になるでしょう。実際、ダイトクの台ばかりで一番発注いただくことが多いのは、この球受付き台ばかりです。

いろいろ使えるのは「球受+脚付き台ばかり」

球受け付き+足つき台ばかり

次に選択肢に入ってくるのは、球受にさらにネジ式の脚がついている台ばかりです。球受がついているため耐久性と精度にも優れているほか、脚は一般的なレンチで高さが調整できるアジャスターになっているため、フォークリフトを一番下まで下げる手間を省けるというメリットがあります。

またオプションで底面にフォークエントリーをつければ、フォークリフトを使って台ばかり自体を自由な場所に移動させることもできます。そのため「棚卸しの時だけ使いたい」「工場内の違う場所で使いたい」といった要望に答えられるのは球受+脚付き台ばかりになるでしょう。

ただし脚がついているぶん、単なる球受付き台ばかりに比べてどうしてもコストは高くなってしまいます。台ばかりを移動する予定がなく、固定した場所でのみ計量する場合は、球受付き台ばかりで必要十分と言えます。

コストを重視するなら「脚付き台ばかり」

足つき台ばかり

球受付台ばかりではコスト面の折り合いがつかないケース、もしくはフォークリフトを使わない現場に設置するケースに適しているのが、調整可能な脚だけがついた脚付き台ばかりが候補に上がります。

脚付き台ばかり

この台ばかりは、球受の構造を省いてロードセルと脚を直接つなぐ構造を採用しているため、計量台がロードセルの上側だけで済みます。これによりコストを低く抑えることに成功しています。しかしそのぶんどうしても取扱いに丁寧さを必要とします。

なぜなら前述したようにフォークリフトの爪などをぶつけてしまうと、ロードセルにつながっている脚に直接衝撃が伝わって台ばかり全体が横滑りしてしまうため、ロードセルに真上以外からの方向に負荷がかかり、故障の原因になるからです。

ただしこれはあくまで横方向からの衝撃が加わる可能性がある現場での話です。もちろんフォークリフトで丁寧に荷物を上げ下ろししてもらえる現場であれば大丈夫ですし、例えばクレーンで荷物を吊り下げて、真上から計量台に荷物を載せるような状況であれば、横方向からの衝撃はなかなか加わりません。

つまりフォークリフトを使わず、クレーンで上から荷物を下ろすだけという現場であれば、脚付き台ばかりで十分役目を果たしてくれるのです。

台車を使うなら「スロープ付き台ばかり」

スロープ付き台ばかり

比較的特殊な使われかたをする台秤が、スロープ付き台ばかりです。他の台ばかりに比べて計量台の高さを低く設定し、手押しの台車などに載せた荷物をそのまま計量台に載せて計量するような現場で使いやすいように作られています。

台ばかりの選び方

台ばかり用の指示計も用途や好みに応じて選択可能

トラックスケールでの計量は合計で2回行われます。トラックに荷物を積んだまま総重量を計量したあと、荷物を下ろして空車重量を計量し、総重量から空車重量を差し引いて荷物の正味重量を計算するからです。これに対して台ばかりは合計で1回しか計量しません。そのため重量を表示したり集計したりするための機器である指示計も、台ばかり用のものを使う必要があります。

指示器の機種 特徴
AD4407A 防塵・防水仕様で水洗いが可能
AD4405A プリンタ内蔵で累計計算なども可能。
AD4406A 液晶表示が最大で軽量設計、コストパフォーマンスに優れている。
AD4410 高性能デジタルフィルタ内蔵で振動やノイズに強い。

ダイトクのHPに掲載している指示計は全部で4種類あります。詳しいスペックはこちらのページを参照いただくとして、ここでは指示計をどのように選べばいいかを説明します。

AD4407A

AD4407Aの特徴として挙げられるのは、ステンレス製で水洗いもできる防水防塵機能を搭載している点です。そのため指示計が汚れやすいような現場ではAD4407Aが適しているでしょう。

AD4405A

一方AD4405Aの特徴は、プリンタを内蔵している点にあります。その場で帳票を発行したいといった要望がある場合は、この指示計が適しています。

AD4406A

これらに対して見やすさや取り回しのしやすさやコストパフォーマンスを重視したいという場合は、AD4406Aが候補に上がります。液晶表示が高さ25mmと4機種中最も大きく、かつ本体重量が650gと軽量に設計されています。

AD44010

まわりの環境でノイズや振動をはかりが受ける可能性があればAD4410が有力候補になります。この指示計は高性能デジタルフィルタを使用する事で特定の周波数をカットして安定した計量を実現できます。

ダイトクが最適な台ばかりを提案させていただきます!

台ばかりの機種にせよ、指示計の機種にせよ、実際にどの機種が最適かどうかは、ユーザー様の現場を拝見したうえでダイトクの担当者から提案させていただくこともできます。

また、HPには記載されていませんが埋め込み式の台はかりや防振ゴム付、レール・コンベア付台はかりなどもありますので、現在台ばかりの導入を検討中の方は、ぜひ一度ダイトクにお問い合わせください。

またダイトクでは各種台ばかりのレンタルも行っています。「一定期間だけ使いたい」「なるべくコストを抑えたい」という方は、こちらもご検討ください。