これからトラックスケールを導入しようと考えている人はもちろん、古くなったトラックスケールの買い替えを検討している人の中にも、トラックスケールの据付(設置)がどのような手順で行われているのかを知らない人は多いのではないでしょうか。

ダイトクではトラックスケールの据付に必要な基礎工事を含め、全てを熟練の職人チームが担当しています。なぜなら、トラックスケールの据付には他の設備にはない特別な知識と技術が求められるからです。

ここではトラックスケールの据付の基本的な流れを紹介するとともに、据付作業の持つ難しさと弊社のこだわりについて解説したいと思います。

トラックスケールの据付って何?どうやってるの?

トラックスケールの「据付」とは、工場で作製してから一度解体したトラックスケールを、お客様のヤードで組み立て、実際に使用できるようにする作業のことです。

以下の5つのステップがすでにあるトラックスケールと新品のトラックスケールを入れ替える際の、基本的な据付の流れです。

1.解体準備 トラックスケールを解体するために、ボルトやロードセルを外します。
2.トラックスケール本体の解体 重機を使って、主桁や架台などを外していきます。
3.ピット内清掃・据付準備 トラックスケールと基礎の間に溜まっていたゴミや泥を掃除したあと、そのまま使う部分のオーバーホールを行います。
4.はかり本体の据付 新しいトラックスケールの据付を行います。
5.据付終了 改めて全体の掃除と、必要な場合は塗装の補修を行って、据付作業を終えます。

初めてトラックスケールを導入する場合は、1〜3がない代わりに基礎工事が必要になります。

トラックスケールの据付で大事な工期と技術について

一見すると据付はシンプルな作業に思えるかもしれません。しかしどれくらいの工期で作業を終えられるか、どれだけの技術があるかは、想像以上に据付後に大きな差をもたらします。

以下ではなぜ据付に「工期」と「技術」が重要なのかを見ていきましょう。

工期の長さは、「仕事が止まる期間の長さ」に直結する

タイムイズマネー

トラックスケールは多くの場合、事業の根幹に関わる設備です。

例えばスクラップ事業者であれば、持ち込まれるスクラップの重量を計量するための設備です。そのためトラックスケールがなければ、事業そのものがストップします。

ビル解体事業者であれば、現場から運び出される鉄スクラップや瓦礫を計量するための設備となります。

もしトラックスケールが使えなくなると、自社のトラックが何トンの荷物を載せているのかが把握できず、過積載問題や持ち込み先での不正計量問題につながります。

当然ですがトラックスケールの据付中、トラックスケールは使用できません。工期が1日であれば1日、2日になれば2日、完全に仕事を止めることになるのです。

したがって、トラックスケールの据付を行う業者が、どれだけスピーディに作業を終えられるかどうかは、余計な損失を出さないために非常に重要なポイントになります。

なお、はかりメーカーの中には据付に2日間の工期を設定しているところもありますが、ダイトクの場合は新規据付も、移設・入れ替えも全て基本的に1日間で行っています。

「旧式の機械式トラックスケールで、かつ15mなどの大型タイプ」といった特殊なケースになると、解体部品が非常に多いので2日間の工期をいただくこともありますが、あくまでそうしたケースは例外です。

据付技術の質によっては、余計なコストや工期がかかってしまう

埋込型トラックスケール

次に重要となるのは、据付のための「技術」です。とりわけ基礎作りに関しては、トラックスケールの基礎作りの実績がある業者に依頼しないと、余計なコストや工事のやり直しなどのトラブルにも発展しかねません。

例えば上の写真のような地上埋込型のトラックスケールは、据付時にトラックスケールがすっぽり収まる「ピット」と呼ばれる基礎を作ります。

このピットを作る際のポイントはトラックスケールに対して適度に大きく作ることです。例えば縦8000mm×横3000mmのトラックスケールなら、ピットのサイズは縦8030mm×3030mmといった具合です。

なぜ前後左右15mmずつ大きく作るのかというと、トラックスケールは計量時に架台が揺れるように作ることで正確に計れるよう作ってあるからです。そのためにトラックスケールとピットの間に隙間を作るのです。

揺れ幅はトラックスケール本体に備え付けたパーツで調整できるのですが、それにも限度があります。

仮にピットが大きすぎれば揺れも大きくなりすぎますし、トラックスケールとピットの隙間が大きくなるので、ゴミや泥、そのほか野良犬や野良猫が入り込んで、トラブルの原因になります。

ぴったりすぎれば揺れが小さくなりすぎます。最悪なのはトラックスケールよりもピットが小さい場合で、このケースではトラックスケールが入らないので基礎工事をやり直す必要があります。

もちろん基礎工事からダイトクに任せていただければ、こうした問題は起きません。トラックスケールの基礎工事に熟練した職人が担当するからです。

しかしトラックスケールの基礎工事に慣れていない業者が担当した場合は、余計なコストや工期がかかるリスクが高くなってしまうのです。

この他、外気温によるトラックスケールのサイズ変化を考慮した基礎作り、水平レベルを調整しながらの据付も大切です。

トラックスケールの主材料である鉄は、温度によって膨張したり、収縮したりします。そのため真夏のトラックスケールと真冬のトラックスケールでは微妙にサイズが変化します。

地上埋込型のトラックスケール据付時は、こうした鉄の性質も頭に入れてピットを作る必要があります。

また、トラックスケールは車の乗る部分(載面)の水平レベルが出ていなければ、正しく質量を計量できません。

例えば基礎工事の技術によっては、支点(ロードセルを設置する部分)の高さがバラバラだったり、基礎の枠の高さが違ったりすることがあります。

その際もスペーサーを使って調節するなどして、基礎の枠とトラックスケールの高さが違わないように据え付けをします。

基礎はコンクリートで作られているので、そうしたズレが大きくなるほど水平レベルの調整は難しくなります。

しかし上記のようなダイトクの職人技を駆使すれば、一定の範囲内のズレに関してはカバーすることが可能です。

最適な据付には、メーカーとしての総合的な技術力が必要

スクラム

以上は実際の据付の現場での技術の話ですが、最適な据付をするにはその手前の技術も大切です。

例えば営業マンが提案する際の技術です。というのもユーザー様のヤードの状況次第で、営業マンが提案するべき内容が変わるからです。

具体的にはヤードにきちんと設置できるようにトラックスケールのサイズを微調整したり、据付時に運び入れ・運び出しができるように分解できるパーツを増やしたり、重機の選定をしたりといった具合です。

ただ、営業マンがどれだけ適切な提案をしたとしても、そのための設計や製造の技術がなければ、理想的なトラックスケールを作ることはできません。

つまり最適な据付のためには、はかりメーカーとしての総合的な技術力が必要だということです。それが不足していると、結果的にトラックスケールを正しく使えなくなるので、コストや工期に影響が出るというわけです。

まとめ

「トラックスケールの据付」と一口に言っても、少しの違いが据付後の結果に大きな差をもたらします。

据付の工期が1日違うだけで、会社が被る機会損失も大幅に変わりますし、据付の技術、またはそもそもの提案、設計、製造の技術によっては、コスト・工期に悪影響が出るのです。

トラックスケールは決して安い機械ではありません。新規導入・買い替えをするのであれば、無駄なコストやリスクは低いほうがいいと考えるはずです。そのためには、お客様ごとの状況に応じた最適な据付をする必要があります。

ダイトクはトラックスケールメーカーとしての長年のノウハウと、トラックスケールという機械を知り尽くした熟練のチームを兼ね備えているため、お客様ごとの臨機応変な対応が可能です。

トラックスケールの購入をご検討中の方は、ぜひとも一度ダイトクまでお問い合わせください。

据付場所や用途、予算などに応じたご提案から、トラックスケールにとって最適な据付まで、一貫してお任せいただけます。皆様のご連絡をお待ちしております!