ジメジメした梅雨の季節が続きますが、気象庁の予報などによれば2019年の梅雨明けは7月下旬以降の見通しとのこと。実際の気温よりも暑く感じるこの時期が早く終わることを願うばかりです。

ところで日本では昔からことわざのように「雷が鳴ると梅雨が明ける」と言われてきました。実はトラックスケールは落雷により壊れることがあり、毎年のように雷被害に遭われるユーザー様もいらっしゃいます。

そのため現在トラックスケールを導入している場合や、導入を検討している場合は、雷被害に遭う前に対策についても知っておくことをおすすめします。

「雷が鳴ると梅雨が明ける」は本当

梅雨前線

梅雨の時期の天気は梅雨前線の動きに左右されます。この前線は、日本の北側にある低温多湿のオホーツク海高気圧と南側にある高温多湿の太平洋高気圧の境目が作り出しています。

梅雨のはじめは低温かつ湿気の多いオホーツク海高気圧が優勢なので、雨が降ると空気がひんやりとしますが、低温なので雨雲はそれほど大きく発達しません。

そのためこの時期の雨はしとしとと、静かに降るのです。一方で梅雨の終わりが近づくと、高温かつ湿気の多い太平洋高気圧が優勢になります。気温が高くなるため、雨雲も発達しやすくなり、雨脚も激しくなります。

雷はもともと積乱雲と呼ばれる非常に大きな雲のなかで発生します。雲を構成する大小の氷の粒がこすれ合うことで生じる静電気がたまりにたまって放出されるのが雷です。

この積乱雲が発生するのが、高温多湿の太平洋高気圧の勢力が強くなる梅雨の終わりの時期なのです。

梅雨の雨

ことわざというのは、昔の人の経験則に基づいた迷信である場合も少なくありませんが、このように考えると「雷が鳴ると梅雨が明ける」は本当のようです。

とりわけ夕立のように、短時間に激しい雨が降るときに雷が鳴ったら、いよいよ梅雨明けだと思って良さそうです。

トラックスケールには「雷対策」が必要不可欠

トラックスケールの雷対策

雷

トラックスケールにはロードセルや指示計などの電子部品が組み込まれており、雷の電流によってショートすると、その時点で使用できなくなってしまいます。

もちろんダイトクなどのメーカーに相談をすれば、応急復旧をすることは可能です。しかしその場合でも管轄の検定所に依頼して現場検定を行なわなければならないため、修理のための部品代や復旧作業費だけでなく、分銅の運搬費・レッカー費、調整作業費、検定費などの検定のための費用とその間の営業停止が必要です。

雷には通り道があると言われていて、特に山と山の谷には雷が落ちやすいとされています。実際ダイトクのユーザー様にも、雷を伴う悪天候になったときには必ずと言っていいほど雷被害に遭われるユーザー様がいらっしゃいます。

こうした場所にトラックスケールを設置する場合は当然ですが、雷被害に遭った場合のリスクとコストを考えると、それ以外の場所に設置する場合にも雷対策は必須と言えるでしょう。

ダイトクでは電子部品へのアレスタ(避雷器)の設置や、建物内の機器も安全に保護するための耐雷対策などにも、ユーザー様の状況に応じて提案・施工することができます。

ただし、すでに設置されているトラックスケールに雷対策を施す場合は、検定が必要になることもあり、製作時に施す場合に比べて割高になるため、コスト的に厳しいという場合はご相談いただければと思います。

雷保険に加入していればひとまず安心

保険の案内資料

しかし雷対策を施しても、何度か雷を受けてしまうと避雷器自体が故障してしまい、買い替えが必要になります。雷が落ちては買い換えて、雷が落ちては買い換えて……を繰り返していては、コストがかさむ一方です。

このような雷対策コストの削減に役立つのが、火災保険などに組み込まれている雷保険です。保険に入っていれば、トラックスケールを丸ごと買い換えることになっても、そのための費用が保険金から出るため、想定外の支払いに頭を抱える必要はありません。

しかしこの保険の存在を知らないユーザー様も多く、仮に知っていて加入していても「屋内設備のみ」の契約だけになっているというケースもあります。

実際、事務所内に置いてあった指示計に対しては保険金が出たものの、室外に置いていたトラックスケールやロードセルに対しては保険金が出なかった、というケースもありました。そのため雷保険に加入する際は、契約内容をよく確認するようにしましょう。

雷対策×雷保険でリスク&コストをカット

とはいえ、雷が落ちて保険の適用を受ける回数が増えれば、それだけ保険料が高くなったり、雷対策用の設備を導入しなければ適用が受けられなくなったりします。

またトラックスケールの入れ替え作業や、修理時の現場検定に伴う営業停止によって生じる損失を考えれば、「費用は保険金でまかなえるから」と言っているわけにはいきません。

したがって、やはりトラックスケールの雷対策は、避雷器などの物理的な対策と雷保険の両方が揃ってはじめて万全になると言えるでしょう。

まとめ

ロードセルや指示計など電子部品が数多く組み込まれているトラックスケールにとって、雷による被害は致命傷になりかねません。修理や買い替え、営業停止のリスクやコストを考えれば、あらかじめ対策をしておくにこしたことはないでしょう。

ダイトクではトラックスケールの雷対策はもちろんのこと、過去にあったケースなどを踏まえて雷保険についてのご説明なども随時対応させていただきます(保険自体は取り扱っておりません)。いつでもお気軽にご相談いただければ幸いです。

実際に雷被害に遭った際のご相談も、ダイトクなら迅速丁寧に対応させていただきます!